Nightowlの『Dear,Night』が良すぎる話
今回は8/14にサブスクが解禁された、
Nightowl初となるアルバム『Dear,Night』について書いていきたいと思う。
NightOwl -official- (@Night_Owl_Owl) on Twitter
Nightowlとは?
左から
雨夜憧(雨夜 憧(NightOwl) (@ako_nightowl) on Twitter)
折原伊桜(折原 伊桜(NightOwl) (@io_nightowl) on Twitter)
百城凛音(百城 凛音 (NightOwl) (@rinon_nightowl) on Twitter)
Nightowlは昨年の8月にデビューした関西を拠点に活動する3人組グループ。西を代表するアグレッシブなアイドルグループ「我儘ラキア」と同じQOOLONGのグループで謂わば妹分のような形である。
しかしパフォーマンスではラキア譲りの内に秘めた熱さの中に曲とマッチした繊細さや美しさも持ち合わせ、妹分といえど異なる魅力で全国のオタクを虜としている。
Nightowlに関しては後日また別の記事でしっかり書きたいと思う。
令和に始まる物語『Dear,Night』
NightOwlの「Dear, Night」をApple Musicで
Dear, Night - Album by NightOwl | Spotify
Amazon Music Unlimited - NIGHTOWL 『Dear, Night』
本題に戻り、先日デジタルリリースされたNightowlの新譜『Dear,Night』について紹介していく。
本作は一言で言えばメンバーの発表、お披露目ライブの行われた2019年8月から2020年8月までの間のNightowlという「物語」の1巻目である。
収録曲の順番は全て発表順、この1年間の軌跡を辿っていくことのできるアルバムである。
昨年の8月から追い続けていた人は勿論、途中でNightowlを知った人にも最初からその道のりを触れることができる。
1. Night Hunting
物語のプロローグとなるのはやはりライブSEでもあるNight Hunting。
汽笛を彷彿とさせる始まりの音に、Nightowlという囁きとともに徐々にボルテージを上げていき、気づけばメンバー3人が登場してくるところが脳裏に浮かんでくる。
物語の冒頭からNightowlの世界観をはっきりと映し出してくれる一曲。
2.Shining Ray
お披露目の時から親しまれるNightowlを象徴する一曲Shining Ray。
筆者が「ラキアとは違う」と感じたのはこの曲が初めて配信された時であった。独特のリズム感にいくつも重なる電子音、しかしそのEDMのようなサウンドの中にあるエモさを演出するギターリフ、そしてその合間にLINEの着信音が入ったりと遊び心も気持ちいい曲。
低音が心地よく響くので是非良いイヤホンやスピーカーで聴いてもらいたい。
Aメロでの「月と太陽」が巡るゆったりとした時間の流れを表すような曲調から、Bメロで「わかってる。もうわかってる…!あと少し、さぁ」と低音とともに力強さが芽生え始め、サビの終わりで「僕たちが存在証明」と言い残し一瞬スパッと音が切れるこの流れがとても好きだ。
「令和」という新しい時代の新しい音楽を感じる。
3.incubate
こちらもお披露目から愛されるincubate。筆者もオタクなので語彙がなくなるがひたすらエモい。
自分自身に問いかける力強い感情を感じさせる歌詞、しかし1サビ終わりの間奏ではピアノのメロディーが優しく包み込んでくれる。
そして2サビ終わりの間奏では先ほどと真逆の激しいサウンドが心の闇のようなものを感じさせる。
そしてそこから這い上がるような
「胸の奥深くしまった 感情のトビラ開けて
私は私のこの声で叫んでやる」
という言葉。ここが本当にエモポイント。
この先どんな困難があってもこの3人なら乗り越えていけると思わせてくれる強さを秘めた一曲
4.Feel Alive
こちらもお披露目からの定番曲でNightowlのライブアンセムのFeel Alive。
ベースにギターとバンドサウンドの主張の強い。特にイントロや間奏のギターリフはシンプルながらもこの曲の世界観に引きずり込んでくるような強烈な魅力がある。クールな雰囲気で始まる歌もサビでの爆発力を引き立たせる。
コールの入れるところも多くライブでもフロア熱がマックスになる。1サビ終わりの虎火なんて小池百合子がみたら気絶するくらいの飛沫具合。いつでも気持ちを昂揚させてくれるこの曲は、タイトルの通り生きた心地を感じさせてくれる。
5.All Night Long
Nightowl初のMVもリリースされたAll Night Long。この曲もShining Rayと同様にNightowlの世界観をよく表した美しさの溢れる一曲であると思う。
キラキラとしたサウンドに包まれゆったりとした流れに身を任せていると、曲は次第にボルテージを上げていき最高潮に達した時、美しく花開く。アウトロに入りまた曲が落ち着いてサッと終わるところも花が散っていくようで風情があってとても美しい。
EDMのような徐々に盛り上がりを見せていく構成が気持ちをどんどんと高ぶらせていき心躍らされてくる。
歌詞の言葉の通り、旅立ちを告げる音が暗闇からおとぎ話の世界へと連れて行ってくれる。
6.Daybreak
今年の2月に発表された、今すぐにでもなにかタイアップが付いて欲しいくらいのキラーチューンのDaybreak。
少し悲壮感を漂わせるイントロのピアノの音が引っ張っていくバンドサウンドのナンバー。しかしながらもBメロにはフューチャーコアとでもいうべきか、電子的な要素も入り「普通のロックナンバー」ではないNightowlの個性も見受けられる。そこから叙情感を漂わせつつも強さを感じるサビとサビ終わりの裏声で歌う落ち着いたパートがマッチしてさらなるエモとかっこよさを生み出す。
イントロの主張やAメロからサビまでの流れといいアニメの主題歌ぽさも感じた。王道のかっこいい曲のように見せかけつつもそこに個性を見出させることができるのがNightowlの音楽の強さであると思う。
7.Be the one
こちらも今年の2月に発表されたポップなパーティーチューンBe the one。
この曲は聴けば聴くほどどんどん虜になっていく魅力がある。
「たーらるららるらー」という声とともに陽キャ感の溢れるイントロを初めて聞いたときは前作のDaybreakと脳内で比較しその差に驚かされた。この曲はAメロから盛り上がりを見せていくこれまでのNightowlになかった要素が見受けられる。先程までの楽曲では「エモさ」や「力強さ」という言葉を多く用いたが、この曲では全体を通して「楽しさ」という言葉が1番相応しく感じる。
上述の「たーらるららるらー」やサビの「とぅるりらー」といったキャッチーな部分が脳裏から離れない。このポップさがメンバーの明るさや陽気さとマッチしてより聴いている人を楽しませてくれる。
3月の大阪ワンマンで初披露された我儘ラキアのカバーであるPrecious Time。
上記にもある「ラキアとはまた違ったNightowlの魅力」というのはこの曲が象徴していると思う。
我儘ラキアの歌うPrecious Timeは電子音が多いながらも基盤としてバンドサウンドがあり、その基盤の「厚さ」というものが、歌の「熱さ」を強調しより歌詞を強く訴えかけてくる曲となっている。
反対にNightowlの歌うPrecious Timeは完全に電子音で作られた曲であり、カバーでありながらも完全に Nightowlの曲として完成されている。パワフルさでは及ばないものの、「美しさ」や「爽やかさ」という新たなこの曲の側面を見せてくれている。
「ロック」な曲を「ポップ」な曲にモデルチェンジさせる編曲アレンジの凄さを感じたと同時に、活動歴わずか1年にして楽曲における「個性」を確立したNightowlの音楽の凄さも感じた。
9.Dear,Night
Nightowlの物語の1巻目を締めくくるのは先日の配信ライブで発表されたタイトルと同じDear,Night。
これまでにないくらい真っ直ぐなバンドサウンドと前向きな歌詞のロックナンバーで最後を締めるというのがこのアルバムを「良すぎる」と評価した1番のポイントであるかもしれない。
好きな歌詞を上げ始めるとキリがないが、1番刺さるのは
「鮮やかな未来期待分かち合いたい君と」
「明日夢見る 僕ら一心同体」
の二つで間違えない。まだ始まったばかりの終わることを知らないNightowlのストーリーをこれからも目の前で一緒に見続けていたいという気持ちが強く湧いてきて思わず感極まってしまった。「エモ」という言葉じゃ語りきれないくらいの深さや感動的な要素がぎっしりと詰まっていて、言葉で全てを伝えるのは困難なのでただただ聴いてほしい。
このNightowlの物語の1巻目の主題歌といえる、今後も大切なものとなっていくであろう1曲。
物語の続きを
今回はアルバム『Dear, Night』とその楽曲に着眼点を置いて書き進めていったが、 Nightowlは全て通して本当に魅力的なグループだ。
その良さはまた改めて紹介して行きたいと思うが、とりあえずはこのアルバムを聴いて現場が再開されたら足を運んで、もっと多くの「物語の目撃者」ができることを強く望んでいる。
ちなみにこのアルバムの円盤は7月に受注生産でのみ受付をしていたため、これから手に入れられるかどうかは不明である。
もし再受注や一般販売などがない場合、この円盤を予約している筆者はこの先ずっとこの円盤でマウントを取っていこうと思う()